アルコールと血圧

「アルコールを飲むと血圧が下がる」という方が時々いらっしゃいます。
しかしそれは一時的なもので、「飲酒習慣のある方は血圧上昇の原因となる」ということを
知っておきましょう。
 
アルコールを飲むと一時的に血圧が少し下がり脈拍が増加します。
体内に吸収されたアルコールが酵素により酸化し、アセトアルデヒドという物質が
血中に増加して血管を拡張させるためです。
日本人の約半数はアルデヒドを処理する酵素の働きが弱いので、血圧の低下が
続いたり脈拍数が増加したりします。
 
しかしアセトアルデヒドがひき続いて酸化されて、血中濃度が下ると、血圧は
上がってきます。
アルコールを飲むと一時的に血圧は下がりますが、習慣的に飲み続け、飲酒量が
多いほど血圧を上げてきます。
 
また、酒の種類毎に血圧への影響を検討した研究では、アルコール量に換算すると
酒の種類による差はみられないと報告されていることから、アルコールの量そのもの
が血圧上昇に関連していると考えられています。
純アルコール量1日30g(ビール大瓶1本程度)を飲むと血圧が約3mmgHg上昇すると
いわれています。

また、アルコールの長期摂取で血圧が上昇するのは、アルコールとともにつまみや、
食事量が多くなり、食塩量が増え、肥満になることも原因と思われます。
休肝日を設けて、飲酒量も減らし、血管を健康に保ちたいですね。
 
参考:日本栄養士会HP