外来相談における「減量成功症例」part.2

減量を成功されたPさんの続きです。
その後、Pさんはどうだったでしょうか?・・・

 
 

<2回目 食事相談>
07.8月  体重:59.5kg(-3.5kg)  BMI:27.5(-1.7)  
                   
【検査結果】
中性脂肪:104mg(-76) 
HDLコレステロール:51mg(+6) 
LDLコレステロール:90(-6)

 
                  
           <Pさん>
「がんばりました。水分はたっぷりとるようにしています。
食事を減らしたら、最初は少しふらふらしたけれど、
慣れました。
薄味を心がけています。

           <栄養士>
                がんばったことを賞賛。
                ここで食事記録をチェックしました!!

(評価)
食事のバランスはよいけれど、摂取量が1000㎉程度しかなく、
養量がやや不足気味。体重減少が少し早すぎる。
 
「少し食事量が少ないので、栄養状態を良好に保ちながら
減量する
ために、1200㎉は確保しましょう。
とても前向きに、熱心に取り組まれておられることは、すば
らし
いですね。
次回10月までは無理せず、58kgを目標にしましょう。
急激に体重を減らすと、筋肉や骨も減ってしまいますから、
それ
以上は減らさないでくださいね。」
     

患者さんの中には、始めるとがんばりすぎて、無理をしてしまう方も
いらっしゃいます。
無理な減量は、健康を損ないかねませんし、リバウンドの原因にも
なります。
人は、一時的ではなく、一生元気でいることが大切です。
何もかも我慢し、ストレスをためて減量した結果、「生きがい」をなくして
しまっては意味がありません。
その方が、少しがんばって、楽しく続けられるようサポート役をさせて
いただいています。

外来相談における「減量成功症例」part.1

今回は、外来相談における「減量成功症例」をご紹介いたします。

《Pさん 65歳 女性 主婦》
 
Pさんのご紹介をします。
    家族構成:夫と子ども2人  
    既往歴:高血圧・高コレステロール
    身長:147㎝
    体重:63kg(標準体重は47.5kg)
    喫煙:15本/日  
    アルコール:なし  
    外食:なし
    
間食:1回/日(薄いせんべい2枚か和菓子1個くらい)
    患者さんの状況:食事に関する知識もあり、とても意欲的な方。
 
<Pさん>    
若い頃から太っていて、20代も体重は63~64kgくらいありました。
最高体重は出産後の73kg。
現役の頃は休日には山歩きをしていたので、運動には自信が
あるけど、今は足を痛めて運動ができなくなってしまった。
手術をする予定になっています。
「足のためにも痩せるようにと、主治医に言われました。」
 
<初回食事相談>
07.6月 体重:63kg BMI:29.2

【検査結果】
中性脂肪:180mg 
HDLコレステロール:45mg 
LDLコレステロール:96mg

 
 
            <栄養士>
                ①食事のバランスはよいけれど、やや主食量が多いので、
                   主食量を適正にする。
 
                ②お菓子はたいした量ではないと思っても、意外にカロリーが
                   高いことを説明
                   
(お菓子のカロリー表にて、認識していただきました。)
                ③足の手術が終わり、治るまでは歩くことができないので、
                   運動は無理せず、上半身の運動やストレッチなどのみにし、
                   食事中心に減量する。
目標カロリー1200~1300㎉。
 
次回は8月予約です。
運動ができないと体重管理が難しいのですが、どのよう
な変化がある
でしょうか…
 
食事相談で、間食の確認をさせていただくと、「たいして食べていません」
「食べるけど量は少しです」とおっしゃる方がたくさんいらっしゃいます。
口当たりがいいのでお腹いっぱいでもつい食べてしまう、食後にお菓子を
食べ
る習慣になっているという方も、珍しくありませんね。
たった「おまんじゅう1個」でも、ごはん1膳分のカロリーがあります。
減量中は「つらいけど、我慢!」かな…?
ストレスがたまらない程度には抑えないと、減量は難しいですね。

最近注目の「葉酸(ようさん)」とは

「よく耳にするけど、どういうものかわからない・・・」という
栄養素がありますね。
今回は、CMでも最近よく耳にする「葉酸(ようさん)」を
クローズアップいたします。
「葉酸」は成長を促進し、赤血球をつくりだす、造血に役立つ
ビタミンです。
 
赤血球は約4ヶ月で死滅しますが、新しい赤血球をつくる
のに葉酸が足りないと正常な赤血球ができず、貧血になり
ます。
また、葉酸はたんぱく質の合成にも関わっており、細胞の
新生にも役立ちます。
欠乏すると、腸管粘膜、口内、舌に炎症が起きやすくなり
ます。
 
<DNA形成に関与・妊婦は特に欠かせません!>
葉酸はたんぱく質や細胞の新生に必要な核酸(DNA、
RNA)をつくるのに重要な役割を果たしています。
胎児が発育する妊娠中、乳児を育てる授乳中には、必要
不可欠です。
 
不足すると、胎児の先天異常である「二分脊椎・無脳症」が
起こる可能性があります。
年間2,400例の発症を、葉酸摂取により、1,000例まで
減少可能といわれています。
                                            

<特にこんな人に、葉酸はおすすめ!>
妊婦、飲酒量が多い、野菜が不足している人、貧血気味、 
口内炎ができやすい、肌荒れ、
避妊薬やアスピリンなどを常用している

葉酸による過剰症は確認されていませんが、サプリメント
からとる場合は上限量を超えないよう気をつけましょう。


(1日の食事摂取基準)
成人:240μg
小児:200μg
上限:1000μg
 

<葉酸を多く含む食品>
(野菜類)
枝豆(身50g)・・・160μg
ほうれん草(50g)・・・105μg
ブロッコリー(50g)・・・105μg
春菊(50g)・・・95μg
(果物類)
いちご(5個80g)・・・72μg
柿(1個200g)・・・36μg
                                など