食物アレルギー「除去食物」「代替食品」「調理の工夫」

まず、専門医の的確な診断に基づいて食物アレルギーの原因となる
食物を把握し、最小限の食物除去を行いましょう。
 
鶏卵アレルギー
「除去食物」
     鶏卵
     鶏卵を含む加工食品
 マヨネーズ、洋菓子(クッキー、ケーキ、アイスクリームなど)、
 練り製品(かまぼこ、はんぺんなど)、肉類加工品(ハム、ウインナーなど)、
 「エッグ」と表示された加工品、オムレツ、オムライス、かに玉、親子丼など・・・
 
「代替食品」
     肉料理のつなぎ・・・でんぷん(片栗粉など)、すりおろした芋などで代用
     揚げ物の衣・・・水とでんぷんの衣で揚げる
     洋菓子の材料・・・ゼラチンや寒天、でんぷんで代用。ケーキは重曹や
  ベーキングパウダーで膨らませる。
     料理の彩り・・・かぼちゃ、とうもろこし、黄パプリカなど
〇他の主菜でたんぱく質を補おう!・・・魚、肉、豆腐、牛乳など
 
<紛らわしいもの>
     卵殻カルシウム(焼成、未焼成)は食べられます。
     「鶏肉」「魚卵」は基本的に除去の必要はありません。
  (主治医の指示に従いましょう)
 
牛乳アレルギー
「除去食物」
     牛乳
     牛乳を含む加工食品
 ヨーグルト、チーズ、バター、生クリーム、全粉乳、脱脂粉乳、
 一般の調製粉乳、練乳、乳酸菌飲料、はっ酵乳、乳糖、アイスクリーム、
 パン、パン粉、洋菓子類(チョコレートなど)、バターや乳製品を使用した
 調味料(コンソメの素、カレールウなど)など・・・
 
「代替食品」
     クリーム系の料理・・・ルウはすりおろした芋で代用、アレルギー用マーガリン
  やアレルギー用ルウなども利用
     洋菓子の材料・・・豆乳やココナッツミルク、アレルギー用ミルクで代用
〇他の食品でカルシウムを補おう!・・・アレルギー用ミルク、調整豆乳、小松菜、桜エビ、
                        ひじきなど
 
<紛らわしいもの>
     「牛肉」は基本的に除去の必要はありません。
  (主治医の指示に従いましょう)
     「乳化剤、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、乳酸菌」などは牛乳の成分は
  入っていません。
 
小麦アレルギー
「除去食物」
     小麦粉
     小麦を含む加工品
 パン、うどん、マカロニ、スパゲッティ、麩、餃子の皮、市販のルウ、一部の酢
 などの調味料など・・・
 
「代替食品」
     ルウ・・・米粉やでんぷん(片栗粉など)でとろみをつける
     揚げ物の衣・・・下味をつけて、水とでんぷん(片栗粉など)の衣で揚げる。
  米粉パンのパン粉や砕いた春雨で代用。
     パンやケーキの生地・・・米粉や雑穀粉、芋やおからなどを生地に代用。
〇他の炭水化物でエネルギーを補おう!・・・ごはん、さつま芋、じゃが芋など

<紛らわしいもの>
     「しょうゆ」「他の麦類(大麦、ライ麦、オーツ麦など)」は、基本的に除去の
  必要はありません。(主治医の指示に従いましょう)
     しょうゆの原材料に小麦の表示がありますが、完成したしょうゆに小麦の
  たんぱく質は残りません。
・「麦芽糖」は食べられます。
 

大豆アレルギー
「除去食物」
     大豆類
     大豆を含む加工品
 豆乳、豆腐、湯葉、厚揚げ、油揚げ、がんもどき、おから、きなこ、納豆、
 しょうゆ、味噌、大豆由来の乳化剤を使用した食品(菓子類、ドレッシングなど)
     しょうゆや味噌は微量で反応する重症な大豆アレルギーでなければ食べら
  れる場合もあるので、主治医に確認。
 
「代替食品」
     しょうゆ、味噌・・・雑穀や米で作られたしょうゆ、味噌や魚しょうゆなどで代用。
〇他の食品で鉄を補おう!・・・鶏レバー、肉類、小松菜、インゲン豆など
 
<紛らわしいもの>
     「他の豆類(小豆、いんげん豆、えんどう豆など)」は基本的に除去の必要は
  ありません。(主治医の指示に従いましょう)
     乳化剤、レシチン、たんぱく加水分解物は、製造会社に大豆が含まれるかの
  確認が必要。
 
その他にも、食品の成分が混入しないように調理器具や食器は分別、洗浄を心がけ
ましょう。
加工食品の購入時は、原材料表示を確かめ、疑問がある場合は製造会社に確認
しましょう。
 
食物アレルギーは、子どもの成長と共に、症状が落ち着く場合が多いものです。
家族みんなで楽しく食事をしながら、子どもの成長を見守ってください。
 

食物アレルギーについて誤解はありませんか?

今年のゴールデンウィークはETC効果もあり、遠出する方も
多かったようですね。
皆様、渋滞疲れはありませんか?

今回は前回から引き続き「食物アレルギー」についてお伝え
します。
食物アレルギーの主な原因食品と、誤解されがちな事柄について
のご紹介です。
 

<食物アレルギーの主な原因食品とおおまかな対応>

〇鶏卵アレルギー
 鶏卵を除去しても、食事のバランスを考えて食べれば栄養上
 問題ありません。
 鶏卵は加熱で抗原性が低減します。
 加熱卵が食べられても生卵や半熟卵には注意です。
                                      
〇牛乳アレルギー
 アレルギー用ミルクは主治医の指示のもと使用。
 料理の材料に利用するなど工夫しましょう。
 牛乳は加熱や発酵で抗原性を低減させるのは難しい食品です。
                
〇小麦アレルギー
 小麦はパンや麺など主食の原材料。
 主食が不足しないように米飯などしっかり食べましょう。
 米粉や雑穀粉でつくられたパンや麺もあります。
                
〇大豆アレルギー
 大豆以外の豆類の除去が必要なことは少ないので、豆類すべての
 除去は不要です。
                                            

その他の原因食品・・・
〇魚アレルギー
 魚のだしは食べられる場合が多く、除去する場合は、しいたけ、
 昆布などでだしをとりましょう。
                                                          
〇肉アレルギー
 肉アレルギーはあまり多くありません。
 除去する場合は鉄を多く含む食品を利用しましょう。
           
〇果物、野菜アレルギー
 加熱により抗原性が低減するため、加熱すれば摂取できる場合が
 あります。
 
〇ピーナッツアレルギー
 学校給食などで使用されることもあるので、誤食に注意しましょう。
 

〇そばアレルギー
 そばと同じゆで汁でゆでたうどんを避けるなど、混入に注意しましょう。
                             

食物アレルギーは成長と共によくなる傾向がありますが、幼児期、
成人になってからの発症は治りにくいとされています。
食べ物別でみると、卵や牛乳、小麦、大豆などは比較的自然寛解しやすく、
魚類や甲殻類、そば、ピーナッツなどは治りにくいとされています。
 
 
<誤解していませんか?>

〇似たような症状でも、食物アレルギーではない場合があります。
 乳糖を体質的に分解できず下痢を起すのは「乳糖不耐症」です。
 また、ヒスタミンなどの薬理活性物質を多く含む食品の摂取で発疹が
 できる場合がありますが、これも食物アレルギーではありません。


〇特異的IgE抗体が存在する=食物アレルギーではありません。
 食物アレルゲンにより体に作られたIgE抗体(これを特異的IgE抗体
 といいます) を持つ人が問題なく食物を摂取している場合もあります。
 特異的IgE抗体の有無だけでは、食物アレルギーかどうか判断する
 ことはできません。


〇アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの関係は?
 乳児期は、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーが合併している場合
 もあります。
 しかし、幼児期、学童期、成人期のアトピー性皮膚炎には、食物アレルギー
 の関与はほとんどなくなります。
 

〇魚の色で、除去の有無を決めていませんか?
 青身、白身、赤身など、魚の色で区別して除去する必要はありません。
 また、魚全般を除去する場合は、ビタミンDが摂取不足になりやすい
 ので注意しましょう。
 

〇大豆油も除去が必要?
 精製した大豆油にはたんぱく質はほとんど含まれていません。
 ほとんどの大豆アレルギーの患者さんは大豆油の除去は必要ありません。
 ただし、ピーナッツ油やごま油は精製の程度により除去が必要になる
 ことがあります。
 
次回は「除去食物」、「代替食品」、「調理の工夫」についてお伝えします。