健康食品に関するその他のマーク

「特定保健用食品・いわゆる健康食品」全4回の

最終回は、トクホマーク以外の健康食品に関する

マークについてお伝えします。   


「特定保健用食品」の売り上げは、ここ数年10%

以上の伸び率を示しています。 

    

最近では、生活習慣病に関連するトクホ製品の

市場が増加しているのが特徴です。

健康食品の市場規模は今後も増加する傾向に

あります。   

   

特定保健用食品の他に、「いわゆる健康食品」

のうち、「JHFAマーク」をつけた食品があります。   

これは(財)日本健康・栄養食品協会が認めて

いる食品です。

    jhfamark.gif

このマークは品質や製品の

規格を保証しているもので、

効果を保証しているものでは

ありません。 

    

健康維持増進を目的とする表示はできませんが、

「安全性」という意味からは、品質を保証する

JHFAマークの果たす役割は大きいと考えられ

ます。

     

皆さんも、健康食品についているマークを確かめ、

購入の基準にしてみてください。

「いわゆる健康食品」と「トクホ」

健康食品は「トクホ」「サプリメント」「ビタミン剤」

「ミネラル剤」などと呼ばれ、どのようなものか、

わからない方も多いのではないでしょうか。

    

健康食品とは、「健康を維持し増進する効果が

期待できる」とされている食品のことです。

    

しかし、日本の法律では「健康食品」という区分

は存在しません。

   

「健康食品と呼ばれるもの」から、トクホなどの

保健機能食品をのぞいたものを

「いわゆる健康食品」と表現しています。

    

つまり現在は、

法律上許可された「健康食品(トクホなど)」と

法律上の定義がされていない

「いわゆる健康食品」があるのです。 

   

「いわゆる健康食品」の成分や表示の内容には、

いろいろな法律によって、厳しい制限があり、

直接商品に健康機能を表示することはできま

せん。

そのため、私たちは、個人の体験談やマスコミ

が流す断片的な情報、健康食品の販売促進を

目的とする「バイブル本」、インターネットなどに

よって、購入する商品を選んでいるのが現状

です。 

  

こういったことから、違法な販売、健康被害や

詐欺が社会問題となっています。

思ったより効果があがらないばかりか、副作用

で健康を害する事例も発生しています。

医薬品と併用したり、他の健康食品と併用したり

している方も多くみうけられます。

              

健康食品同士の作用や、医薬品との作用などに

ついては、十分な情報がなかなかありません。

        

また、健康食品被害にあわないよう、厚生労働省、

国立健康・栄養研究所、食品安全委員会は注意

をうながしています。

   

私たちそれぞれが、氾濫する健康食品の情報に

流されないよう注意していきたいものです。

                                            

 

(厚生労働科学研究費補助金によって設立された「国立健康・栄養研究所」は、
ホームページにて、「健康食品に関するデータベース」を公開しています。
興味のある方はごらんください。)

特定保健用食品(トクホ)とは?~特定保健用食品の対象者~

医薬品の役割は病気を治すことで、対象者は病人です。

それに対して、食品は健康な人から病人まですべての

人が対象となり、なかでもトクホ製品は主に健康な人と

病人の間、「半病人」、「半健康人」を対象にしています。

ですから、対象者の人数は圧倒的に多くなります。 

    

健康食品の市場規模は年々伸びる一方です。

ほとんどの人は病気になって医薬品で治すより、食品で

病気になる危険を減らそうと考えているのです。 

    ※特定保健用食品では、ダイエットをうたった表示はできません。


トクホの具体的な対象者は生活習慣病に関係する、

「肥満者」や「血圧、血糖、コレステロール、血中脂質の

高めの人」、「高齢者」が中心となります。

このような人にとって、トクホ製品を利用することの意義

は大きいと考えられます。 

  

「特定保健用食品」「栄養機能食品」には必ず

「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを」

という表示が義務付けられています。

すべての基本は食事をきちんととり、規則正しい生活の

上に、上積み効果として、トクホ製品があるのだと理解

していただきたいと思います。

特定保健用食品、栄養機能食品とは?~なぜ、うまれたのか~

相談の中で、「この健康食品はどうですか?」と

製品名をあげる方がいらっしゃいます。

(中には製品自体を持ってくる方も!) 

  

近年の健康食品の増加は目をみはるばかりです。

今回は全4回にわたり、

「特定保健用食品・いわゆる健康食品」について

お伝えしたいと思います。

   

日本では1980年代から、世界に先駆けて

食品の健康機能に関する研究・研究開発を

国家プロジェクトとして開始してきました。 

 

健康情報は氾濫し、なにがよいのか判断するのは

難しい時代です。

  

もっともよい情報源は、製品への表示で、間違った

選択をしないためにも、必要性がせまられるように

なっていました。

   
しかし食品に「健康に関する機能を強調して表示する」

ということは薬事法により厳しく規制されていました。

   t-mark.gif

そこで、1991年に個別の食品ごとに審査して表示を

許可する「特定保健用食品」、つまり「トクホ」が制度化

されたのです。 

   

さらに、2001年には定められた基準に合っていれば、

食品成分の機能を表示できる「栄養機能食品制度」が

制定されました。

不足しがちな栄養成分の補給を目的とした食品に

「ビタミン」、「ミネラル」の栄養機能が表示できるように

なりました。 

   

それにともない、トクホの制度も改訂され、それまでは

通常の食品の形態しか許可されなかったのが、錠剤や

カプセルなども対象になりました。 

   

現在では、食品でありながら形態も、錠剤やカプセル型の

ものが多くなり、それによって手軽にとることができ、過剰症

なども心配されるようになってきました。 

バターとマーガリンではどっちがいいの?

「トランス脂肪酸」についてマスコミなどでとりあげられることが

多くなりました。  

そのためか、相談にて

「バターとマーガリンではどっちがいいですか?」という質問を

される方が、最近多くなりました。

    VS  

バターは動物性脂肪、マーガリンは植物性脂肪です。

  

トランス脂肪酸とは・・・

1.トランス型の二重結合をもつ、不飽和脂肪酸のことです。

   ほとんどの場合、天然では不飽和脂肪酸はシス型で存在

  しますが、加工油脂では加工過程でシス型からトランス型

  になります。

   マーガリンやショートニングなど加工油脂やその原料として

     製造される食品に含まれています。 

2.悪玉(LDL)コレステロールを増加させ、善玉(HDL)コレス

     テロールを減少させる働きがあるといわれています。

  また多量に摂取を続けた場合には動脈硬化などによる

     虚血性心疾患の危険を高めるとの報告もあります。 

                                                                   

日本におけるトランス脂肪酸の摂取

「平成16年度国民健康・栄養調査」における食品群別摂取量

から日本人1日あたりのトランス脂肪酸摂取量を推計したところ、

平均0.7g(摂取エネルギー換算、約0.3%)でした。

食用加工油脂の国内生産量から推計した1日あたり

トランス脂肪酸摂取量は、平均1.3g(同、約0.6%)でした。

   

国際機関の対応

2003年「食事、栄養及び慢性疾患予防に関するWHO/FAO

合同専門家会合の報告書」では、トランス脂肪酸の摂取量は

最大でも1日あたりの総エネルギー摂取量の1%未満とする

よう記載されています。

  

他、摂取量について方針を示したり、表示の義務化をしたり

する国もあります。 

    

日本での対応

2004年、厚生労働省により策定された

「日本人の食事摂取基準2005年版」では、

「欧米諸国の研究でトランス型脂肪酸摂取量の増加は虚血性

心疾患のリスクを高めるとの報告があるが、日本人での摂取量

や各摂取レベルにおける安全性については未知である。」と

記述されています。 

   

農林水産省では、トランス脂肪酸に関する文献調査や国内外

の情報収集を行い、リスクプロファイルを作成・公表しています。 

 

今後の取り組みの必要性は・・・

調査結果から、日本人のトランス脂肪酸の摂取量は

総エネルギー摂取量の1%未満となり、世界の中でも少ない

傾向が示されました。 

しかし平均値を使用しているため、脂肪の多い菓子類や食品の

食べすぎなど、かたよった食事をしている人の個人差はわかり

ません。

かたよった食事をしている人では、平均値を大きく上回る可能性

があります。 

       

朝のパンにバターやマーガリンを少しぬるくらいなら、どちらでも

かまいません。

トランス脂肪酸だけではなく、脂肪のとりすぎ、飽和脂肪酸、

食事性コレステロールの多量の摂取も心疾患の危険を高めます。

食生活において脂肪全体の摂取について注意が必要なのです。

     

「平成18年度 国民健康・栄養調査」の結果から・・・

今回は平成18年度の結果をうけて、よりよい

食生活のためのアドバイスをお伝えいたします。 
            
自分の健康を守るのは自分自身。
健康は規則正しい食生活からです。
■3食きちんと食べるようにしましょう。  
■外食は脂肪が多くなりがちなので和定食を 
 選びましょう。

 
しかし、和食は塩分が多くなりがちなので、
 塩分制限が必要な方は特に注意しましょう。
 
 調味料、汁物、漬物は塩分が多くなります。
  
■野菜は1日350g
 毎食に野菜料理がないと、1日量にはいきま
 せん。
 1日に緑黄食野菜は100g。淡色野菜は250g。
 目安にとるようにしましょう。
  
<主な野菜の重量の目安>
(緑黄色野菜)
 
ほうれん草、小松菜  
1わ=300~400g   100g=1/3わ 
ブロッコリー     
1株=300~400g   100g=大3房
にんじん       
中1本=200~250g  100g=中1/2本  
トマト        
中1個=150~200g  100g=2/3~1/2個
 
(淡色野菜) 
キャベツ     
葉1枚=50~85g 中1個=1㎏前後 
100g=葉大2枚
キュウリ     
100g=中1本  タマネギ     
中1個=200~250g  100g=中1/2弱
大根       
中1本=1㎏前後   100g=厚さ3㎝ 


■減塩は、慣れが一番です。
 日頃からうす味に慣れるようにしていき
  ましょう。(塩分目標量 男性10g、女性8g)
   
<主な調味料の小さじ1杯(5ml)あたりの食塩相当量は?>
食塩           5.9g           
しょうゆ         0.9g 
ウスターソース     0.5g
みそ           0.7g           
和風ドレッシング    0.3g           
トマトケチャップ    0.2g
<主な加工食品の食塩相当量は?>
即席カップめん     6.9g           
梅干し(1個10g)    2.2g
塩さけ(1切れ60g)   1.1g           
プロセスチーズ(40g)  1.1g
ロースハム(2枚40g)  1.0g

「平成18年度 国民健康・栄養調査」からPart3

近年、社会環境の変化で、家庭の食事は外食や中食が

増え、朝食の欠食、野菜不足や食塩の摂取量の増加

などが深刻になっています。

  

<※中食(なかしょく)・・・外食と家庭での料理の中間に

あるもの。

惣菜や弁当などを買って、家庭で食べるような食品>

  

中食産業は核家族化、個食化、家庭での料理の簡便化

などから、外食ほど経費がかからないこともあり、年々、

市場規模を拡大してきています。

   

中食は思うように食事のとれない方には、上手にとり

いれることで、日常の食事をおぎなうこともできるもの

です。 

 

全3回の最終回は、 

「平成18年度 国民健康・栄養調査」の結果より、

食習慣や食品別の摂取状況についてお伝えします。  

(1) 食習慣の状況

  朝食の欠食率を年次推移でみると、男女共に高く
  なる傾向であり、平成18年では男女共に20歳代
  で最も高く、男性で約3割、女性で約2割でした。

  夕食の開始時間は男女共に20~60歳代において、
  午後9時以降に食べる人の割合が増加しています。
   

(2) エネルギー摂取量および脂肪エネルギー比率
     (摂取エネルギー量に対して脂肪から発生するエネルギー
       の割合。理想の脂肪エネルギー比は20~25%)

skgu1_3_s.jpg   エネルギー摂取量の平均の年次推移は、男女共に
  少しずつ減っている傾向です。
  脂肪エネルギー比率が30%以上の人の割合は20歳
  以上の男性で約2割、女性で約3割です。

(3) 野菜摂取量
     (野菜摂取量の目標は1日350g)

  野菜摂取量は、年齢とともに増加しています。
  しかし、もっとも摂取量の多い60歳代においても、
  平均348.6gです。 
  20~40歳代は平均摂取量が300gに達していません
  でした。

(4) 食塩摂取量
     (食塩摂取の目標量:成人男性10g未満、成人女性8g未満)

 食塩の目標量を超えて摂取している人の割合は、
  男性で約6割、女性で約7割。
  20歳以上では、1日あたりの食塩摂取量の 平均値
  は11.2g(男性12.2g、女性10.5g)。


  次回は「平成18年度 国民健康・栄養調査」の結果を
  うけて、よりよい食生活のためのアドバイスをお伝え
  いたします。  

「平成18年度 国民健康・栄養調査」からPart2

通称「メタボ健診」といわれる、「特定健診」が
始まりましたが、みなさんの結果はいかがだった
でしょうか?

今回は「平成18年度 国民健康・栄養調査」の
結果より、健診・人間ドック・医療機関での受診
状況についてお伝えします。
(1)健診・人間ドックでの受診状況
  40歳以上において、過去1年間に健診や
  人間ドックを受けたことがある人は、
  男性約7割、女性約6割でした。
  過去1年間に健診や人間ドックを受けたこと
  がある人のうち、健診の結果、肥満や高血圧、
  糖尿病などの指摘をうけたことのある人は、
  男女ともに約6割でした。
  
  そのうち40~74歳が受けた指摘の内容
  として最も多かったものが、男女ともに
  脂質異常(旧:高脂血症)で、男性約5割、
  女性約6割でした。
  
(2) 医療機関の受診状況
   
  40歳以上において、健診の結果、指摘を
  受けたことがある人のうち、医療機関の受診を
  すすめられた人は、男女ともに約6割でした。   
  そのうち最終的に医療機関に受診した人は男女
  ともに約9割でした。
健診を受けましょう! 

健診や人間ドックの未受診者に、異常の頻度が高く

なる傾向があるといわれています。
 

まずは、健診や人間ドックを受け、自分自身の健康

状態をチェックしましょう。

   

また、健診や人間ドックを定期的に受けている方も、

「人間ドックを受けたから安心」「検査結果に異常が

なかったから、健康でこれからも大丈夫」ということ

にはなりません。

  

大切なのは、検査結果も「一時の結果」にすぎないと

思い、結果をふまえ、その後の人生を健康的に過ごす

ために、食事や睡眠、飲酒・喫煙などといった様々な

生活習慣をどう改善していくか、意識を高く持ち続ける

ことです。 

 

「平成18年度 国民健康・栄養調査」からPart1

生活習慣病の人は実際にはどのくらい人数が
いるのでしょうか?
 

今回は厚生労働省発表の

「平成18年度国民健康栄養調査」から、

生活習慣病の人がどのくらいいるのか、

最新の調査概要について3回にわたり、お伝え

していきます。 

 

医療制度改革では、「病気の早期発見や治療」

だけではなく「予防・健康増進」を重視することが、

決められました。

  

自覚症状がないからこそ健診を受け、病気になる

前の予防が大切なのです。

   

生活習慣病とは、好ましくない生活習慣によって

引き起こされ、生活習慣を改めることによって、

予防できる病気(高血圧、脂質異常、糖尿病など) 

をとりまとめたものを言います。

(1) 糖尿病と予備群の数は、計1,870万人。                                 

     糖尿病が強く疑われる人は約820万人。

  糖尿病の可能性が否定できない人は

     約1,050万人。

 

  合わせて約1,870万人と推定されます。

    前回調査(平成14年糖尿病実態調査)

     から4年間で250万人増加しています。    

   

(2) 高血圧と正常高値血圧者の数は、計5,490万人。

   高血圧症有病者は約3,970万人。

   正常高値血圧者は約1,520万人。 

 
メタボリックシンドロームが強く疑われる、

または予備軍と考えられる人の数は

40~74歳では

男性の2人に1人、女性の5人に1人 

40~74歳でみると、強く疑われる人の比率は、

男性24.4%、女性12.1%。

予備群と考えられる人の比率は、

 

男性27.1%、女性8.2%です。

調べる→対策をとる→健康増進する・・・

生活習慣病は、自覚症状がないので、放置しがち

です。

しかし、放置しておくと、突然「心筋梗塞」や手足の

麻痺が生じる「脳卒中」などが起こり、人生最大の

転機を迎えることにもなりかねません。

 

病気の有無を調べて生活習慣を改めたり、検査結果

が悪化していたら治療をしたり、などといった対策を

していきましょう。

 

例えば、自分が太っていること、運動が不足している

ことはだいたいの方が自覚しています。

健診をきっかけに、生活習慣をふりかえり、何か取り

組めることはないか考えてみましょう。

                                               

長年、続けてきた生活習慣を変えることは大変です。

一気に変えようと思わず、小さなことでも、続けられ

そうなことからはじめてみましょう。

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食中毒予防、冷蔵庫の使いかた

便利な冷蔵庫も、過信すると危険です。
正しい使い方をしましょう!

   1_3003000052.jpg

1.使っている冷蔵庫の庫内の温度を調節する。

2.食品を詰め込みすぎないようにする。
空気の流れが悪くなると冷えにくくなります。

3.食品は整理して入れる。

  肉や魚介類などの生ものは容器や袋に入れ、

  他の食品にふれないようにします。

  また、他の食品に汁がかからないように、肉

  や魚介類は棚の下のほうに入れるなど工夫

  します。

  残った調理済みの食品を保存するときは、

  密閉容器や、ラップで覆い、常温で放置せず、

  粗熱を取って早めに冷蔵庫や冷凍庫に入れ

  ましょう。

 
4.冷蔵庫に保存した調理済みの食品は、早く

  食べ切る。

  少しでも食品のにおいや見た目がおかしいと

  思ったら、捨てましょう。

5.ドアの開け閉めは静かに、すばやくする。

  勢いよく開け閉めすると、いろいろな食品の

  汁がこぼれる原因となります。

  長時間開けたり、何度も開け閉めしたりすると、

  庫内の温度が上昇します。

6.冷蔵庫の中やまわりを掃除する。

  冷蔵庫の裏のほこりも取り除き、放熱がうまく

  できるようにしましょう。

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