知っているようで知らない、糖尿病

健診結果をごらんになっていかがでしょうか?
よく「○年前は糖尿病予備軍でした。なんで糖尿病といわれるのかな。」
とおっしゃる方がいます。
予備軍(境界型)といわれたら、その後の生活習慣に気をつけなければ、
ゆくゆくは糖尿病になる危険がある、ということです。

予備軍というのは「糖尿病ではないから放っておいても大丈夫」ということ
ではありません。
また、糖尿病予備軍(境界型)といわれて気をつける方もいらっしゃれば、
HbA1cという糖尿病の指標が10%くらいの非常に高値でも全くの無頓着な
方もいらっしゃいます。
 
血管が知らず知らずにおかされる糖尿病ですが、自覚症状があらわれ
にくいのがやっかいな点です。
発見されたときにはすでに取り返しのつかない事態になっていることもある
糖尿病。
「のどが渇く」「尿の量が多くなる」「食べるのに体重が減る」といった症状に
気づく頃には病気はかなり進行しています。
 
《糖尿病とは、どんな病気?》
糖尿病とはインスリンというホルモンの分泌が減ったり、働きが十分では
なくなり血液中にブドウ糖が異常に多くなってしまう病気です。
そういった状態が続くと、気づかないうちに全身の血管がおかされていって
しまいます。
糖尿病にはいくつか種類がありますが、日本人のほとんど(95%)は糖尿病に
なりやすい体質に肥満や運動不足が原因で発症する2型糖尿病です。
 
早朝空腹時血糖値126mg/dl以上、
随時血糖値200mg/dl、
経口ブドウ糖負荷試験2時間値200mg/dl以上
のいずれかに該当し、その値が2回続けば糖尿病とされています。

検査値の高値が1回の場合でも、糖尿病の症状や糖尿病網膜症があったり、
HbA1cがNGSP値6.5%以上あるいはJDS値6.1%以上の場合は糖尿病と
されます。

※HbA1cとは・・・過去1~2ヶ月間の血糖値の平均の指標。
                             NGSP値は欧米を中心に使われており、JDS値は日本で
                             使われています。
                             JDS値+0.4=NGSP値という関係になっています。
 
「血糖値が高いくらい・・・」と放っておくと、気づかないうちに血管や神経が
おかされ、さまざまな合併症が起ってきます。
 
『三大合併症』
<糖尿病性神経障害>
高血糖が続くと、最小血管の血流が悪くなったり、神経細胞内にソルビトール
という物質がたまり、神経組織に障害が起ります。
手足のしびれ、痛みがあったり、逆に感覚がにぶくなったりします。
こむらがえりが起きたり、顔面神経マヒや眼筋マヒが起ることもあります。
発汗異常、冷え・のぼせ、立ちくらみ、下痢・便秘、勃起障害など全身に様々な
症状が起ります。
 
<糖尿病性網膜症>
眼底にある網膜の血管に障害が起ると、小さな出血を繰り返します。
症状が進むと視力が急激に低下したり、黒いものがちらついたりします。
はじめは自覚症状がないので、悪化するまで気づかない場合も多いです。
 
<糖尿病性腎症>
腎臓の毛細血管の束がおかされると、腎臓の尿を作り出す働きが低下します。
尿がつくれなくなると、排出されるべき老廃物が血管にとどまり、体内を循環する
ことになります。
悪化すると命に関わるので人工透析が必要になります。
 
『その他の合併症』
<心筋梗塞・狭心症>
高血糖が続くと血管がいたみ、脂質の代謝が悪くなり、動脈硬化が進みやすく
なります。
神経障害のため痛みに気づかないこともあります。
 
<脳梗塞>
動脈硬化が進んで脳の血管が詰まると脳梗塞になります。
半身マヒなど重い後遺症を残すこともあります。
  
<白内障>
老化現象の一種ですが、糖尿病は発症時期を早めます。
<糖尿病性壊疽>
糖尿病が進むと、足の傷に気づかず悪化させて潰瘍や壊疽を起こしやすく
なります。
足の血管に動脈硬化が起ると足先まで栄養や酸素の供給ができず、細胞が
死んで壊疽になることもあります。
ひどくなると切断の危険があります。
 
<感染症>
免疫機能の低下や血行不良などにより、かぜや肺炎、膀胱炎、水虫、虫歯、
歯周病などになりやすくなります。
感染症にかかると血糖値はますます上昇してしまいます。
 
その他、急激な昏睡状態になる場合もあります。
早急に対処しないと命に関わる危険な状態の場合もありますので、吐き気や
意識がもうろうとするなどの症状がみられたら、すぐに医師の指示を仰ぎましょう。
 
糖尿病は完治することは少なく、一生つきあっていく病気です。
そのため進行を防ぐことが重要なポイントとなります。
なるべく早い段階に発見して、血糖値を正常範囲に保つことが大切です。

知っているようで知らない、高血圧

今回は、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病について
どんな病気か、なぜ予防・治療していかなければならないか、
といったことについてお伝えします。

健診は受けていますか?
異常値が出ていないか、このくらい大丈夫と思っていないか、今一度、
振り返っていただければと思います。
 
病院に定期的に来られている方、人間ドックを受けた方を毎日、面談
していますが、私たちがお話しをする方はすでに病気について「良くない
状態」と認識されてきている方がほとんどです。
すでに重篤な疾患となり、「若いころはむちゃしたけど、気にもしなかった」
「健康について昔は考えもしなかった」とおっしゃる方もしばしば・・・
「もっと前に治療していれば・・・」と思うこともあります。
 
しかし、重篤な病気にまで進展していなければ、健診で検査値が非常に
悪い状態でもほったらかし、または健診も受けない方も多いのが現状です。
 
《高血圧とは、どんな病気?》
収縮期血圧(最大血圧)140mmHg以上、
拡張期血圧(最小血圧)90mmHg以上(または両方)が高血圧とされています。
 
『加齢と血管』
血管も加齢とともに老化し、硬く、狭くなっていきます。
高血糖や喫煙、脂質異常などをきっかけに進行が急激に早まります。
 
『高血圧は血管疾患に直結』
血管の弾力は失われ、血管の壁は厚くなり、血管は狭くなって、血液が
流れにくくなります(動脈硬化の進行)。

太い血管では、高血圧によって血管が傷つくことで血栓ができる原因と
なります。
脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすきっかけになります。
また細い血管でも、血管の老化により全身の血圧が上がり、心臓は
より強い力で血液を送り出さなければならないので、負担をかけ、心不全の
原因になります。
 
『高血圧がもたらす主な合併症』
【脳】
<脳出血>
動脈硬化によってもろくなった脳血管が圧力に耐え切れずに破れ出血する。
<脳梗塞>
動脈硬化によってできた血栓やはがれた血管壁が狭くなった脳の血管に
詰まる。
 【腎臓】
<腎硬化症>
血液をろ過する腎臓の中にある血管が動脈硬化を起こし、腎臓の機能が
低下する。
<腎不全>
腎臓の中の血管の動脈硬化が進行して腎臓の機能が低下する。
 

【心臓】
<狭心症>
動脈硬化などで血管が狭くなり、血流が悪くなって、心筋が酸素不足になる。
<心筋梗塞>
動脈硬化などで血管が詰まり、血流が止まって、心筋が壊死する。
<心肥大>
心臓はより強力に血液を押し出そうとするので、心筋が厚く肥大する。
<心不全>
心肥大が進んで、心筋の収縮力が弱くなり、心臓の機能が低下する。
                          
 
健康な血管はしなやかなゴムチューブと例えられます。
しかし動脈硬化が進んだ血管は硬く、もろくなります。
そしてあるとき、もろくなった血管は破れ、血栓をつくり、血流が滞り、
心筋梗塞などの原因になるのです。
重篤な状態になるまで自覚症状がないことがほとんどです。

老化は生まれた瞬間から始まっています。
完全に止めることはできませんが、食事や運動、睡眠に気をつけることで
機能的な老化を穏やかにすることや血管の若さを保つこともできます。
健康な方でも今から生活習慣に気をつけ、すでに高血圧と健診などで
言われている方は速やかに受診しましょう。

栄養強調表示を正しく理解していますか?

先日、9月5日に市の健康まつりが開催されました。
地域の施設栄養士が集まり、毎年、栄養展を行なっています。
たくさんのご来場ありがとうございました。
そこでもとりあげた今年のテーマのひとつに「栄養強調表示」があります。
 
残暑がまだ続いていますね。
水分補給はしていますか?
持ち歩きに便利なペットボトルのジュースですが、最近ではメーカー各社から
色々なパッケージの新製品が出ています。

栄養強調表示について、皆さんはどのくらいご存知ですか?
パッケージの美しさや、○○不使用という文字だけで購入していませんか?
今回は飲み物の栄養強調表示について、ご案内します。
 
【主な栄養強調表示のルール】
<ノン ゼロ 無 フリー>
食品100g(又は、飲料100ml)当たり
エネルギー 5kacl 未満
糖類   0.5g    未満
の場合、表示ができます。
 
<ひかえめ 低 少 オフ>
食品100g(又は、飲料100ml)当たり
エネルギー 40kacl(飲料は20kcal)未満
糖類   5g   (飲料は2.5g)未満
の場合、表示ができます。
 
<○○と比べてカロリー(糖類)_%(g)オフ 減 カット>
比較対照との差が食品100g(又は、飲料100ml)当たり
エネルギー 40kacl (飲料は20kcal)以上
糖類   5g     (飲料は2.5g)以上
の場合、表示ができます。
 
<砂糖不使用>
砂糖を食品の加工時に使用していなければ、表示できます。
素材自体のエネルギーや糖質に注意が必要です。
また砂糖以外の糖(はちみつ、水あめ)が使われている場合があります。
 
<糖類ゼロ>
糖類(ブドウ糖・果糖・砂糖等)が含まれていなければ表示できます。
人口甘味料を利用している場合が多く、甘味だけのエネルギーは微量です。
加えられている材料により、エネルギーはゼロではない場合があります。

<甘さひかえめ>
「甘さ」は味覚です。
味覚に関する表示の基準は定められていません。
あいまいな表現の為、必ずしも「控えている」とは限りません。
 
「カロリーひかえめ」とあっても、100ml中18kcalなら500mlのペットボトル1本
では90kcalになります。

また、缶コーヒーなど「コーヒー飲料等通常品」は、100ml中糖類7.5gと定め
られています。
通常商品より糖類が2.5g/100ml以上少ない場合は、「通常品に比較して」と
表示すれば、「糖類○%オフ」表現してもよいことになっています。
糖類100ml中に5g以下の糖類は入っていても表示できます。

 
「最近、血糖値があがってきた」、「食事は変わってないのに太ってきた」・・・
飲み物は気をつけていますか?

パッケージの表現の正しい意味を理解して購入しましょう。
また、栄養成分表示も確認すると間違いはないので、あわせて見る習慣もある
といいですね。
                                 

脂質part4~コレステロールは悪者なのか~

脂質はそのままでは水にとけないので、リポたんぱく質という物質と結合して
血液中にとけて運ばれています。
そのリポたんぱく質の種類によって働きが異なりHDL、LDLコレステロールと
呼ばれています。
コレステロール自体は同じものです。
 
【体内での働き】
コレステロールは細胞膜の構成成分です。
またホルモンの原料にもなります。
脂質の吸収に必要な胆汁酸の原料にもなります。
胆汁酸が不足すると脂溶性のビタミンの吸収も悪くなってしまいます。
他、ビタミンDは食事からとる他に体内でも作られますが、皮膚のコレステロール
から作られる物質が日光に当たることでも合成されています。
 
【とりすぎると】
ご存知のように、血中コレステロール値が高くなります。
そのため虚血性心疾患のリスクが高まる可能性が危惧されています。
食事からとるコレステロールが血中コレステロール値に与える影響は体重の
多い人に比べて、低い人で顕著との報告もあります。
 
【どのくらいとればいい?】
コレステロールは毎日一定量必要になるので体内で作る機能があります。
1日あたり600~650mg(体重50kgの人)作られます。
多く摂取した場合、心筋梗塞など発症率が増加する可能性があるため、
上限量が設けられました。
体内で合成できるので、下限量は設けられていません。
 
コレステロールの摂取基準
年齢
男性
女性
目標量(上限)
目標量(上限)
18歳~
750mg未満
600mg未満
 
【食品中のコレステロール量】
卵50g・・・コレステロール210mg(ほとんどが卵黄に含まれる)

鶏レバー焼き鳥2本(60g)・・・コレステロール222mg
若鶏手羽肉(80g)・・・コレステロール96mg

うなぎ蒲焼1串(100g)・・・コレステロール230mg
スルメイカ(60g)・・・コレステロール162mg
ししゃも3尾(50g)・・・コレステロール115mg
すじこ一口大(25g)・・・コレステロール128mg
 
コレステロールの高い人では300mg以下が摂取目安量です。
食事で気をつけていても、間食やお酒のつまみには気をつけない、という方も
多く見られます。
「そんなに食べていないのに・・・」の中に菓子の原料やつまみの種類は入って
いますか?
意識して気をつけましょう。

脂質part3~不飽和脂肪酸はいいのかな?~

不飽和脂肪酸は炭素の二重結合の数によって、一価不飽和脂肪酸と
多価不飽和脂肪酸に分けられます。
 
《一価不飽和脂肪酸》
脂肪酸の炭素の二重結合が1個だけ含まれるものを一価不飽和脂肪酸
といいます。
常温では液体です。
オリーブ油やサフラワー油に多く含まれます。
酸化しにくく過酸化脂質となりにくいので、動脈硬化の予防効果が期待
されています。
一価不飽和脂肪酸による研究報告が十分にないので「食事摂取基準」では
具体的な数値は設定されていません。
 
《多価不飽和脂肪酸》
炭素の二重結合を2個以上含むものをいいます。
食事から摂取する必要があります。
構造によってn-6系脂肪酸とn-3系脂肪酸に大別できます。
(ω―6系、ω―3系という場合もあります)
 
(n-6系脂肪酸)
食事から摂取しなければならない必須脂肪酸の代表、リノール酸、
γ-リノレン酸、アラキドン酸の3種類が知られています。
血液中のコレステロール量を減らす作用があります。
しかしとりすぎるとHDLコレステロールも減ってしまうので要注意です。

n-6系脂肪酸の摂取基準
年齢
男性
女性
目安量
目標量(上限)
目標量
目標量(上限)
18~29歳
11g
10%未満
9g
10%未満
30~49歳
10g
10%未満
9g
10%未満
50~69歳
10g
10%未満
8g
10%未満
70歳以上
8g
10%未満
7g
10%未満
    目安量はg、目標量は%エネルギーで示されています。
    18歳以上では過剰の害を考慮して目標量(上限)も設定されています。
 
(n-3系脂肪酸)
α-リノレン酸、イコサペンタエン酸(IPAまたはEPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)
の3種がよく知られています。
魚油、えごま油などに多く含まれます。
血液中のLDLコレステロールや中性脂肪を減らし、HDLコレステロールを上昇
させる働きがあります。
n-3系脂肪酸の摂取基準
年齢
男性
女性
目標量(下限)
目標量(下限)
18~29歳
2.1g以上
1.8g以上
30~49歳
2.2g以上
1.8g以上
50~69歳
2.4g以上
2.1g以上
70歳以上
2.2g以上
1.8g以上
    虚血性心疾患の予防効果を考慮して18歳以上では目標量(下限)が設定されています。
※目標量ではIPA(EPA)およびDHAを1g/日以上摂取することが望ましい。
 
【食品中のn-6系、n-3系脂肪酸量】

(油)
ごま油(100g)・・・n-6系脂肪酸40.9g、n-3系脂肪酸0.3g
大豆油(100g)・・・n-6系脂肪酸49.7g、n-3系脂肪酸6.1g

(魚類)
さば(100g) ・・・n-6系脂肪酸0.3g、n-3系脂肪酸1.5g
さんま(100g)・・・n-6系脂肪酸0.5g、n-3系脂肪酸4.0g
ぶり(100g)・・・n-6系脂肪酸0.4g、n-3系脂肪酸3.4g
まぐろトロ(100g)・・・n-6系脂肪酸0.6g、n-3系脂肪酸5.8g
 
LDLコレステロールの高い方は肉中心の食事から魚中心の食事に変え
ましょう。
同じ脂質でも脂質の「質」が違います。
しかし脂質は高カロリーですから、魚といっても食べ過ぎればカロリー
オーバーになり太ってしまいます。

肥満は生活習慣病の原因ですから、体重のコントロールも忘れないようにして
生活習慣にとりいれましょう。
 

脂質part2~飽和脂肪酸のとりすぎは・・・~

脂質の「質」は脂肪酸によって決まります。
脂肪酸は脂肪を構成している酸になります。

少し難しくなりますが、化学構造でいうと炭素の数、二重結合の位置や
数によって種類が決まります。
二重結合を含まない脂肪酸を飽和脂肪酸、二重結合を含む脂肪酸を
不飽和脂肪酸といいます。

また炭素の数によって短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸にわけられ
ます。
最近、よく耳にする脂肪になりにくい油、「中鎖脂肪酸」は炭素数が8~10個
のものになります。
 
《飽和脂肪酸の役割》
体の脂肪は中性脂肪のことで、エネルギーが足りないときに分解されて
使われます。
コレステロールの8割は体内で作られますが、飽和脂肪酸は原料になり
ます。
コレステロールは細胞膜や胆汁酸などを作るのに必要です。
 
【飽和脂肪酸のとりすぎは・・・】
体内でコレステロールの合成が進みます。
LDLコレステロールが増え、動脈硬化の原因となります。

飽和脂肪酸の摂取量が多い人ほど糖尿病の発症率が高いという報告も
あります。
しかし飽和脂肪酸の摂取量の多い人は肥満の方も多いので、肥満からの
糖尿病ということも考えられます。
どちらにしても、とりすぎはあらゆる生活習慣病の元となります。
 
【どのくらいとればいい?】
飽和脂肪酸は体内でも炭水化物やたんぱく質から合成されます。
重要なエネルギー源でもあり、生活習慣病のリスクにもなるので、
「食事摂取基準」では下限と上限を設けられています。


飽和脂肪酸の摂取基準(%エネルギー)
年齢
男性
女性
目標量
目標量
18歳~
4.5%以上7.0%未満
4.5%以上7.0%未満

例)必要エネルギー量2000kcalの人なら飽和脂肪酸の適量は・・・
  2000kcal×6%程度÷9kcal=13g
 
【食品中の飽和脂肪酸量】
豚バラ肉100g・・・飽和脂肪酸13.0g
鶏もも皮付き1/2枚(125g)・・・飽和脂肪酸5.4g
ベーコン3枚(60g)・・・飽和脂肪酸8.9g
バター大さじ1杯(12g)・・・飽和脂肪酸6.3g
クリームチーズ(20g)・・・飽和脂肪酸4.1g
 
最近は洋食傾向になり、飽和脂肪酸の摂取量も上昇しています。
洋食や肉類メインの食事をしたら、次の食事は和食、魚・大豆製品を
メインにするなど、1日を通して上手に組み合わせてとりたいものです。

脂質part1~体内での働き・どのくらいとればいい?~

今回から三大栄養素の最後のひとつ、脂質についてお伝えします。

Part2~は特に脂肪酸、コレステロールについてとりあげます。
年2回開催している生活習慣改善講習会でもテーマがコレステロールの回は
盛況でした。
悪者のイメージがついていますが、脂質も立派な栄養素です。
 
脂質は1gあたり9kcalと、炭水化物やたんぱく質の2倍以上のエネルギーを
発します。
効率のよいエネルギー源であり、細胞膜の主要な構成成分です。
一般的に脂肪といえば中性脂肪のことをさします。中性脂肪には脂肪酸が
含まれますが、構成する脂肪酸の種類によって作用が異なります。
 
【どのくらいとればいい?】
「日本人の食事摂取基準」では総エネルギー摂取量にしめる脂質からの
エネルギー摂取量の割合(%)で示されています。
 
総脂質の摂取基準(%エネルギー)
年齢
男性
女性
目標量
目標量
18~29歳
20%以上30%未満
20%以上30%未満
30~49歳
20%以上25%未満
20%以上25%未満
50~69歳
20%以上25%未満
20%以上25%未満
70歳以上
15%以上25%未満
15%以上25%未満

例)必要エネルギー量2000kcalの人なら脂質の適量は・・・
  2000kcal×23%程度÷9kcal=51g
      
肉、魚の脂、ドレッシング、調理用油、パン、お菓子などあらゆるところに油は
使われています。
2008年の国民健康栄養調査では、脂肪エネルギー比率が30%以上の者の
割合は、成人の男性で17.4%、女性で25.0%でした。
特に女性では20~40歳代で30%以上を超える方が3割にのぼっています。
 
【食品の脂質量】
<パン・洋菓子>
食パン6枚切(60g)・・・脂質2.6g
クロワッサン(30g)・・・脂質8.0g
クリームパン(1.8g)・・・脂質11.8g
ショートケーキ(110g)・・・脂質15.4g
シュークリーム(70g)・・・脂質9.5g

<魚貝類>
マグロトロ刺身4切(60g)・・・脂質16.5g
鮭1切(80g)・・・脂質3.4g
さんま1尾(150g)・・・脂質25.8g

<肉類>
豚もも脂身つき・薄切り(60g)・・・脂質11.5g
鶏もも皮付き(210g)・・・脂質29.4g
合びき肉(100g)・・・脂質15.2g
ロースハム1枚(15g)・・・脂質2.1g
ウインナー1本(25g)・・・脂質7.1g

<その他>
普通牛乳1杯(200ml)・・・脂質7.8g
バターピーナッツ(20g)・・・脂質10.3g
木綿豆腐1/3丁(100g)・・・脂質4.2g
油揚げ1枚(20g)・・・脂質6.6g

たんぱく質part4~サプリメントのアミノ酸、プロテインは?~

若い方や筋トレを好む方に人気なのがアミノ酸サプリメントや
プロテインです。
時々効果について聞かれることもあります。
 
最近、個々のアミノ酸が注目されサプリメントなども多いですが、
通常たんぱく質の形でアミノ酸を摂取しているので、動物性・植物性
たんぱく質をまんべんなく色々な食品からとれば自然に摂取できる
ので特定のアミノ酸にこだわる必要はないと思われます。

もし特別偏った食生活を送っていて、不足しているアミノ酸を理解
されていれば補う目的もあるかもしれませんが、まずは良い食生活を
目指した方が早道でしょう。
 
プロテインの原料は牛乳中のホエーたんぱく、カゼイン、大豆たんぱく、
卵たんぱくなどです。
たんぱく質のみで作られたサプリメントになるので、それだけで
筋肉増強の効果があるわけではありません。
体内では1つの栄養素の吸収のために色々な栄養素が助けあって
います。
例えばたんぱく質が体内で利用されるために助けている栄養素の
ひとつがビタミンB6です。
プロテインをとっても、トレーニングをし、たんぱく質以外の栄養素を
摂取しなければ効果はありません。
 
筋肉を作るはずのプロテインもカロリーはありますので、運動もせずに
摂取すれば、かえって肥満につながります。
プロテインを利用する方は、運動もしながら適切な量をとるように
しましょう。

たんぱく質part3~良質なたんぱく質ってどういうもの?・・・必須アミノ酸~

アミノ酸の中には人が体内で合成できないアミノ酸や合成量が少なくて
必要量を満たせないアミノ酸が9種類(乳幼児では10種類)あります。

必ず食事から摂取しなければならないので、必須アミノ酸と呼ばれて
います。
この必須アミノ酸を良い割合で含んでいるものを「良質なたんぱく質」と
いいます。
卵や牛乳、肉などは良質のたんぱく質です。
 
【必須アミノ酸】
イソロイシン、ロイシン、リジン、含硫アミノ酸(メチオニンとシステイン)、
芳香族アミノ酸(フェニルアラニンとチロシン)、スレオニン、トリプトファン、
バリン、ヒスチジン
 
 
【アミノ酸スコア】
たんぱく質の質を評価する指標のひとつに「アミノ酸スコア」があります。
食品に含まれるたんぱく質の必須アミノ酸量を基準値と比較して評価
します。
必須アミノ酸は最も少ないアミノ酸にあわせて他も利用効率が低下します。
基準値より最も割合の少ないアミノ酸を第一制限アミノ酸といい、その
割合がスコアになります。
つまり、必須アミノ酸が1種類でも一定量を満たさないと良質になりません。
最も満たしていないアミノ酸量がスコアになります。
100に近いほど良質です。
 
食品のアミノ酸スコア 
精白米
61(リジン)
小麦粉
42(リジン)
大豆
100
じゃが芋
73(ロイシン)
ほうれん草
64(リジン)
100
牛乳
100
アジ
100
100
アサリ
84(トリプトファン)
牛肉
100
豚肉
100
鶏肉
100
                   第一制限アミノ酸は(  )
 
良質ではなくても他の食品と組み合わせると良質になることもあります。
(アミノ酸補足効果)
米はリジンが61ともっとも少なく、アミノ酸スコアが61になってしまいますが、
豆類にはリジンが豊富に含まれているので、一緒に食べると補給されるので、
食事としてのたんぱく質は良質なものになります。
ご飯に豆料理を加えた食事は優れた食べ方といえます。
 

たんぱく質part2~どのくらいとればいい?~

たんぱく質の必要量は個人差が大きいといえます。
エネルギーを余分にとるとたんぱく質が節約されます。
エネルギー摂取が増すとたんぱく質の蓄積量は増加して必要量は減ります。
エネルギーが不足するとたんぱく質の利用効率は低下して必要量が増します。
 
また、激しい運動をするとたんぱく質の必要量は増します。
しかし、適度な運動はたんぱく質の利用効率を高めて必要量を抑えるので、
運動が必ずたんぱく質の必要量を増加させるとは限らないのです。
極端に生活の活動量が少ない生活では、たんぱく質の利用効率は低下して、
必要量が増します。
他に感染症や外傷などでたんぱく質の必要量は増加します。
高齢者でエネルギー摂取や生活の活動量が少ない場合、たんぱく質の必要量が
若い人より増えることもあります。
 
日本人の食事摂取基準2010年版
年齢
男性
女性
 
推定平均必要量
推奨量
推定平均必要量
推奨量
18~29歳
50g
60g
40g
50g
30~49歳
50g
60g
40g
50g
50~69歳
50g
60g
40g
50g
70歳以上
50g
60g
40g
50g
<推定平均必要量>とは、性別および年齢階級ごとに、当該性別および年階級に属する者の半数について、1日あたりに必要とする栄養素の量を満たすと推定される摂取量のこと。
<推奨量>とは、性別および年齢階級ごとに、当該性別年齢階級に属する者の大多数について、1日あたりに必要とする栄養素の量を満たすと推定される摂取量のこと。
 
【食品のたんぱく質量】
<魚貝類>
マグロ赤身刺身6切(80g)・・・たんぱく質21.1g
鮭1切(80g)・・・たんぱく質17.8g
 
<肉類>
牛もも赤身薄切り3枚(90g)・・・たんぱく質20.3g
豚ロース赤身厚切り1枚(90g)・・・たんぱく質20.4g
 
<その他>
卵1個(50g)・・・たんぱく質6.2g
納豆1パック(50g)・・・たんぱく質8.3g
チーズ1切(20g)・・・たんぱく質4.5g
 
摂取基準と比べていかがでしょうか?
必要以上にとりすぎの方も多いかと思います。
とりすぎはカロリー過多をまねきます。
一方で、昼食は麺やパンだけという方は不足しているかもしれませんね。

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