食生活と主ながんについて

国際的な研究グループが食物・栄養素とがんとの関連について
まとめた結果の表です。
野菜や果物がいくつかの部位のがんに対して抑制的に働く一方、
肉類やアルコールの摂取がリスク要因となっています。
また、カロリーを控え運動をすることにより、肥満を防ぐことも多くの
部位のがんを抑制することが期待されます。

しかし日本人は、同時にやせていることもがんで亡くなりやすい、
あるいはがんになりやすいという研究結果もあるので、肥満でもやせ
でもない適度な体重を保つように心がけましょう。
<主要部位のがんと食物・栄養素との関連についての疫学研究のまとめ※>
(上向き矢印)はがん発生の促進効果ありを意味
(下向き矢印)はがん発生を抑制する効果があることを意味
 (↑↑、↓↓)は確実、(↑、↓)は可能性大

 
 
食道
大腸
肝臓
乳房
前立腺
食習慣
野菜
 
 
 
 
 
果物
 
 
 
 
獣肉類
 
 

(保存・
加工肉)
 
 
 
 
塩分
 
 
 
 
 
 
アルコール
↑↑
 
 
↑↑
 
↑↑
 
熱い飲食物
 
 
 
 
 
 
栄養関連要因
肥満
↑↑
(腺がん)
 
↑↑
 
 
↑↑
(閉経後)
 
運動
 
 
↓↓
(結腸)
 
 
 
 
    野菜・果物はInternational Agency for Research on Cancer. Fruits and Vegetables. IARC Handbooks of Cancer Prevention Volume 8. IARC Press 2003, その他の食品はWHO. Diet, Nutrition and the Prevention of Chronic Diseases, Report of a Joint WHO/FAO Expert Consultation. WHO Technical Report Series 916 2003. による。出典「国立がんセンターがん対策情報センター」


 

<がんを防ぐための12ヵ条>とは・・・
「財団法人がん研究振興財団」が無料で配布している
<がんを防ぐための12ヵ条>というものがあります。
 
1.バランスのとれた栄養をとる 
                                                          -いろどり豊かな食卓にして-
2.毎日、変化のある食生活を 
                                                          -ワンパターンではありませんか?-
3.食べすぎをさけ、脂肪はひかえめに 
                                                          -おいしい物も適量に-
4.お酒はほどほどに 
                                                          -健康的に楽しみましょう-
5.たばこは吸わないように 
                                                          -特に、新しく吸いはじめない-
6.食べものから適量のビタミンと繊維質のものを多くとる 
                                                          -緑黄色野菜をたっぷりと-
7.塩辛いものは少なめに、あまり熱いものはさましてから 
                                                          -胃や食道をいたわって-
8.焦げた部分はさける 
                                                          -突然変異を引きおこします-
9.かびの生えたものに注意  
                                                          -食べる前にチェックして-
10.日光に当たりすぎない 
                                                          -太陽はいたずら者です-
11.適度にスポーツをする 
                                                          -いい汗、流しましょう-
12.体を清潔に
 
少しでもがんの原因になるようなことを遠ざけて、明るい健康的な
生活を送りたいものです。

デザイナーズフーズプログラムとは

がん予防のためにと単品の食品を食べ続ける方がいらっ
しゃいます。
中でも人参やキャベツ、たまねぎ、納豆(もしくは豆腐)に
集中している方が多いように感じます。
 
今回は「がんと抑制効果のある食品群」として以前、研究
されていた「デザイナーズフーズプログラム」について説明
します。
 
デザイナーフーズプログラムでは、アメリカにおける食生活
の調査の結果により、
過去にがん予防効果を示唆する報告
が得られている植物性食品約40種類の食品をピラミッド型
の図で示しています。
ピラミッドの上にあるものが、がん予防効果の高い可能性が
あるとされています。

アメリカの国立がん研究所が、がんを食事により予防できる
のではとの仮説をたて、1990年に開始した5年計画のプロ
ジェクトでした。


 
【デザイナーズフーズプログラム】


にんにく
キャベツ、甘草、大豆、ショウガ、
せり科(人参、セロリ、バースニップ)


たまねぎ、お茶、ウコン(ターメリック)
かんきつ類(オレンジ、レモン、グレープフルーツ)
全粒小麦、亜麻、玄米、ナス科(トマト、ナス、ピーマン)
アブラナ科(ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ)


マスクメロン、バジル、タラゴン、カラス麦、ハッカ、オレガノ、きゅうり、
 

タイム、アサツキ、ローズマリー、セージ、じゃが芋、大麦、ベリー

 

 


18年前の研究となりますがピラミッドに取り上げられていなくても、
最近はがん予防効果が期待されている食品がでてきました。

これらの有効成分の多くは抗酸化作用を持ち、活性酸素などに
よるDNA(遺伝子)の損傷を防いでがんを抑制するとされています。

 
以上のように、がんと食事については色々な研究がなされてき
ましたが、これを食べたらがんを防げるということでもありません。
 

偏った食事をせずにバランスよく、いろいろな食品をとるように
心がけましょう。
 
 

野菜の主な栄養素と機能性

野菜には、ビタミン、ミネラル、食物繊維など、体の調子を整え、
機能を正常に維持する大切な栄養素が含まれています。
さらに、野菜は免疫力の向上、抗酸化作用などの機能性により、
脳卒中、高血圧、がんを予防する効果が高いといわれています。
 
野菜の主な栄養素と機能性成分
成分
主な働きと機能性
主な野菜
ビタミンC
血管、歯、結合組織を丈夫に保つ
冠動脈疾患の予防、抗酸化作用
(水溶性ビタミンは体に蓄えておくことができないので、こまめに補うことが大切)
キャベツ、だいこん、
ブロッコリー、ピーマン、
じゃがいもなど
ビタミンE
細胞の老化を防止
(若さを保つためにも大切)
抗酸化作用、動脈硬化予防
ほうれん草、かぼちゃなど
緑黄色野菜
食物繊維
腸内環境を整える
糖尿病の予防、
コレステロール値の正常化
ごぼう、モロヘイヤ、
にんじんなど
カリウム
ナトリウムの排出を促進
高血圧を予防
じゃがいも、さといも、
さつまいもなど
カルシウム
丈夫な骨や歯をつくる
骨粗鬆症の予防
小松菜、かぶ、水菜など
β-カロテン
皮膚や粘膜の細胞を正常にする
(必要な分がビタミンAになる)
にんじん、モロヘイヤ、
かぼちゃ、ほうれん草など
リコピン
抗酸化作用、動脈硬化予防
トマト、金時にんじんなど
グルコシノレート
解毒作用の促進
ブロッコリー、キャベツ、
芽キャベツ、カリフラワー
など
ケルセチン
動脈硬化・糖尿病予防、
抗酸化作用
たまねぎ、サニーレタス、
ブロッコリーなど
カプサイシン
体脂肪の分解促進、食欲増進
とうがらし、赤ピーマンなど
〈日本栄養士会 「健康増進のしおり」より〉
 
上の表で野菜の主な栄養素、主要成分の生理作用や機能性を
示しましたが、特定の野菜や成分にこだわらず、多種の野菜を
食べることが大切です。

野菜を総量として、十分にとっている人は疾病リスクが低く、
健康状態が良好であるとされています。
野菜の多様な成分が相互に作用し、健康な身体づくりに影響して
いると考えられています。

野菜をたくさん食べよう

清瀬市「市民健康まつり」での栄養展に続き、先日は小平市の
栄養展でした。
たくさんのご来場ありがとうございました。

栄養展では、テーマを決めて展示などをおこなっていますが、
1日の野菜の重量をはかってみるコーナーは毎年人気のコーナー
です。

毎日の食事相談の中でも「野菜はとっています」とおっしゃる方が
いますが、夕食のときに野菜を多くとっているので、大丈夫と思って
いる方がたくさんいらっしゃいます。
皆さんは1日にとりたい野菜の量をご存知ですか?
 
<1日にとりたい望ましい野菜の量は350g>
野菜350gといってもなかなか実感しにくいものですね。
 
野菜70g相当の量を野菜料理1皿とすると5皿分になります。

【1皿分の目安(重量はあくまで一例です)】
    ほうれん草のおひたし(80g) 
◆  かぼちゃの煮物(75g) 
    野菜サラダ(75g) 
◆  冷やしトマト(75g) 
◆  野菜炒め(125g)
    具だくさんのみそ汁(75g)
 
1食で5皿食べるのではなく朝2皿、昼1皿、夜2皿などに分け、
1日3回の食事で野菜料理を5皿目指すようにすると350gの野菜を
とることができます。
 
<野菜の量をアップするためにひと工夫の食生活>
●野菜のつくり置きメニューを用意しておく
 きんぴらごぼう、ひじき煮、ナムルなど・・・
●生でおいしく食べられる野菜を用意
 トマト、キャベツ、きゅうりなど・・・
●肉・魚料理のつけあわせの野菜をたっぷりと用意する
●具だくさん汁をつくる
 野菜をたくさん入れたみそ汁、けんちん汁、ミネストローネなど・・・
 
<調理を工夫して量も栄養も効率アップ>
●ゆでる
 大量に見える野菜もゆでれば量が減り、生野菜の数倍の量が
   食べられます。
●炒める
 緑黄色野菜を油で炒めると、カロテンが油に溶け、効果的に
   吸収されます。
 
〈日本栄養士会 「健康増進のしおり」より〉
 
次回は野菜の主な栄養素と機能性についてお話しいたします。

基礎代謝量の計算って?

生活習慣改善講習会にご参加された方、ありがとうございました。

講習会でも質問がありましたが、基礎代謝量についての質問を
食事相談の中でもうけるようになりました。
皆さん、とても熱心に勉強されていますね。

基礎代謝量とは生命維持をするために最低限必要なエネルギー量
の事です。

呼気分析(専門機器を使用)や体重体組成計(体脂肪計など)、
計算式などで求めるやり方があります。
 
呼気分析は専門的で高価な測定器を使用するので、一部のところで
しか扱っていないでしょう。

ですから私たちが基礎代謝量を気軽に求めるとすれば、体脂肪計
や計算式によるものとなります。

体脂肪計は、脂肪は電気を通しにくく、筋肉や水分は電気を通し
やすい原理を利用し、体の中の電気抵抗をはかって推測値を出して
います。(インピーダンス法)
しかし水分の変動で測定値がずれることがあります。

また計算方法としては、厚生労働省策定「日本人の食事摂取基準」に
基礎代謝基準値という表があり、その数値に体重をかけることで基礎
代謝量が求められるようになっています。

年齢
男性
女性
基礎代謝基準値(kcal/kg/日)
基礎代謝基準値(kcal/kg/日)
30~49
22.3
21.7
50~69
21.5
20.7
70以上
21.5
20.7
「日本人の食事摂取基準2005」一部抜粋
 
欧米で18才以上を対象として使われている「ハリス・ベネディクト式」
というものもあります。

男性の基礎代謝量=66+(13.7×体重kg)+(5.0×身長cm)-(6.8×年齢)
女性の基礎代謝量=665+(9.6×体重kg)+(1.7×身長cm)-(7.0×年齢)

「ハリス・ベネディクト式」はもともと欧米人を基準にされているので、
日本人向けに補正された数値で使用されています。
 
計算式をみても、おわかりのように体重が多い人ほど基礎代謝量
は多くなります。
減量すれば基礎代謝量も少なくなってきますので、だんだんと減量
が進まなくなったりしますが、少しずつ継続することが大切です。
 
年齢とともに基礎代謝量は低下しますが、そのほとんどの原因は
筋肉の衰えです。
脂肪より筋肉の方が、体温が高くなるため、筋肉が減れば体温が
低くなってきます。
体温も低くなれば、実際の基礎代謝量は落ちていきます。
いくつになっても筋肉は増やす事ができますので、無理のない負荷
の運動を習慣として定期的にもつことも重要です。
 
「日本人の食事摂取基準」で基礎代謝量をもとめた場合、年齢と
身体活動レベルに応じて1.3~1.75(身体活動レベル群分け表より)
をかけて必要エネルギーを出します。

一般に「ハリス・ベネディクト式」では基礎代謝量÷0.6が必要エネルギー
とされています。

自分の目指す体重の必要エネルギーはとるようにし、基礎代謝量
以下の減量は危険なのでさけましょう。
急激に減量をすると筋肉や骨量がおち、筋肉量をとりもどしにくく
なります。
これがリバウンドにつながりますので、無理のないペースと運動を
負荷してとりくみましょう。
 
皆さんは自分の必要エネルギーを知れば、次のステップは食事の
カロリーと消費カロリーのバランスがよいかということになると思い
ます。
しかし数値だけにこだわらず、生活全般を見直し、食べ方や運動の
仕方などをよりよいものに変えればおのずと結果はついてきます。
マイナス何kcalし、体重をこのくらいにしたいといった目標をもって
継続してとりくむことが減量への近道です。
 

人生80年時代、健康寿命をのばすためには・・・

食生活、環境の変化、医療水準の向上で、日本人の平均
寿命はいまや80歳を超えました。

日本人の死因はというと、がん・心疾患・脳卒中が三大死因
となっています。
おもに生活習慣病が原因となるものばかりで、脳・心疾患系
の病気は一度発作を起すと後遺症が残り、寝たきりや認知症
などの発端となることもあります。
 
寿命の考え方のひとつに「健康寿命」というものがあります。
寝たきりなどの障害で介護を受けることなく、元気に暮らす
ことができる年数のことです。

残念ながら今の日本では、平均寿命と健康寿命の間には
6年ほどの差があるといわれています。
いかに長生きするかの時代から、これからは、いかに健康
寿命をのばすかということが課題になってきました。
 
<健康寿命をのばすための7つの習慣とは>
この7つの習慣はカリフォルニア大学のブレスロー教授が
1965年に寿命に影響する健康習慣として発表しました。
 
1.適切な睡眠時間
  7~8時間がベストとされています。質の高い睡眠をとる
     ことも大切です。

2.喫煙をしない
  体の老化を早めます。もちろん健康を害することは周知の
    事実です。

3.適正体重を維持する
  身長に見合った体重を維持しましょう。
  身長(m)×身長(m)×22が適正体重です。

4.過度の飲酒をしない
  禁酒する必要はありませんが、飲みすぎてはいけません。

5.定期的に運動をする
  1日のスケジュールの中に運動をする時間をつくりましょう。

6.朝食を食べる
  朝食は活動の源です。体のリズムをつくります。

7.間食をしない
  間食は食べすぎや栄養の偏りのもとになります。
 
誰もが、いつまでもイキイキと元気に暮らしたいと思いますよね。
食事、運動と生活の見直しで、みなさんも早くから健康寿命を
のばす習慣をみにつけましょう!

秋から冬にかけても食中毒は要注意!

最近は暑い夏だけではなく、年間を通して食中毒のニュースが流れますね。
レストランチェーンの腸管出血性大腸菌O-157による食中毒は原材料の
汚染によるものとの報道もありました。
 
食中毒は一般に、気温が高い初夏から初秋にかけて多発します。
食中毒菌が増えるのに適した気温であり、これに人の体力の低下や食品など
の不衛生な取扱いなどの条件が重なることにより発生しやすくなります。

しかし、ノロウィルスなどは気温の低い時期でも発生しますので、1年を通して
食中毒に対して注意が必要です。

 
食中毒予防の3原則とは
1.            菌をつけない
2.            菌を増やさない
3.            菌を殺す
 
そのためのポイントとして、
食品を購入し、調理する際の6つのポイントがあります。

1.    食品の購入

生鮮食品は新鮮なものを購入する。
消費期限を確認する。
生鮮食品で温度管理の必要な食品は、買い物の最後に購入する。
肉汁や魚の水分がもれないようにそれぞれに分けて包む。
 
2.    家庭での保存
持ちかえった食品はすぐに冷蔵庫に入れて保存する。
冷蔵庫の詰めすぎに注意する。冷蔵庫は10℃、冷凍庫は-15℃を維持する。
肉汁が他の食品にかからないようにする。
食品を流し台の下に保存する場合は、水漏れに注意する。
 
3.  準備
井戸水を使用する場合には、水質に注意する。
肉汁が他の食品にかからないようにする。
野菜などはよく洗ってから調理する。
室温での解凍はしない。
料理に必要な分だけ解凍し、解凍後はすぐに調理する。 

4.  調理
  調理を途中でやめる場合には、冷蔵庫に入れる。
  電子レンジを使用する場合には、調理時間に気をつけ、熱の伝わりが
    悪いものは途中でかき混ぜて十分加熱する。

5.  食事
温かくして食べる料理は常に温かく、冷やして食べる料理は常に冷やしておく。
調理前後の食品を室温で長く放置しない。
 
6  .残った食品
残った食品は、早く冷えるように浅い容器に小分けして冷蔵庫に保存する。
時間が経ち過ぎた場合は、思い切って捨てる。
食品を温め直す場合にも十分加熱する。
ちょっとでも怪しい食品は口に入れず捨てる。
  

朝食をとる工夫をしましょう

朝食がとれない人、とらない人・・・
原因を考えてみながら、どうすればとれるようになるか、
工夫してみましょう。

食べる時間がない人は牛乳、ヨーグルトなどの手軽な
 乳製品やミルクティー、コーンスープなどの飲み物、栄養
 補助食品など何か口に入れるように習慣づけてみましょう。
その後、品数を増やしていきます。
 
朝、食欲がない人は夕食の見直しが必要です。
  夕食は油ものを避け、食べ過ぎないようにします。
  その分を朝食で摂るようにします。

起きてすぐに食べられない人は出勤途中で食べたり、
 出勤時にコンビニなどで購入したりして職場で食べるなど
 工夫してみましょう。
 

<朝食の基本の形は主食、主菜、副菜があること>
和食党の人は・・・
ご飯、味噌汁、納豆や卵焼きや焼き魚などの主菜、おひたし
などの副菜を組み合わせます。
     
パン党の人は・・・
パン、目玉焼きやハムなど、サラダや野菜ソテーの組み合わせ
など。
乳製品や果物がつくとより良いです。
 
<時間がなくて、そろえられない人はもっと簡単に!>
具だくさんの味噌汁にすると、野菜をたくさんとることができます。
さらにその味噌汁に豆腐や卵を入れると、忙しい朝でも必要な
栄養素を一品で、とることができます。
 
トーストとコーヒーだけの人には、マーガリンの代わりにスライス
チーズやハムと野菜をのせると、バランスがよくなります。
<どうしても時間や手間がかかってしまう・・・>
〇市販品を利用します

野菜や春雨入りのカップスープ、レトルトの主食、温泉卵など

シリアルに果物、野菜ジュースなど
 
できることから、始めてみましょう。

朝食をとらないという問題

最近、朝食をとらない方が増えていますね。
厚生労働省が実施する、国民健康・栄養調査の結果では、若い
世代の欠食の問題が浮き彫りになっています。

また欠食が低年齢化しつつあり、子どもたちへの影響も心配されて
います。
朝食を抜くと栄養が偏りがち。つけがくるのは40歳を超えてからです。
 
<朝食がとれない理由は忙しいとは他に・・・>
○夜遅くに食べて、朝は食欲がない
○夕食を食べ過ぎて、朝は食欲がない
○食べてすぐに寝てしまうので、朝は食欲がない
                                                  などの生活習慣にあります。
 
<なぜ、欠食がいけないのか・・・>
〇肥満になりやすい。
欠食をすると、一種の飢餓状態になるため、人間の体は消費
エネルギーを節約しようとします。
    脂肪の蓄積能力が高まり、太りやすい体質になります。
                                        
    空腹時間が長くなると摂食中枢が刺激され、食欲が増して早食い、
   過食
になります。

                                         ↓
1回の食事量が増え、インスリンの分泌が活発になり、肝臓での
脂肪合成が進み、肥満になりやすくなります。
 
〇脳に必要なブドウ糖が補給できず、頭が活発に働きません。
ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源であり、寝ている間も起きて
いる時と同じ量を消費します。
目が覚めたときには不足した状態になっています。
 
〇ビタミンB群やビタミンCが不足します。
ビタミンB群やビタミンCは水溶性で体内に長い時間、とどまって
いられません。
欠食すると不足します。

また、ストレスがある人はビタミンCやカルシウム、マグネシウムの
必要量が高まります。
より不足した状態になります。
 
食事の回数が少ないと、栄養素を補給する回数が減ってしまいビタミン、
ミネラルだけではなく、様々な栄養素が不足します。
それによって、出てくる体調不良(不定愁訴)なども大きな問題となって
います。
 
3食しっかりとり、1日に必要な栄養素を十分に補給していきましょう!

飲み物のカフェイン量

暑い毎日が続いていますね。みなさんは水分を何でとって
いますか。
今回は飲み物とカフェイン量についてお伝えします。
 
カフェインは胃液の分泌を増加させます。
適度であれば食欲増進しますが、過剰になると消化性潰瘍の
リスクを高めることにもなります。
 
そのほか、眠気や疲労感をとり、思考力や注意力を増す作用、
脳血管を収縮させる作用もあるので、片頭痛がやわらぐ作用が
あります。
そのため市販の鎮痛薬、風邪薬、乗り物酔い薬などにも
カフェインが配合されています。

 

しかし毎日大量にカフェインをとり続けていると、カフェインが
きれたときに血管が拡張して頭痛が起こったりします。
そしてまたカフェインを摂取するとその頭痛は治まるけれど、
またきれると頭痛が起こるといった、中毒になってしまうことも
あります。
(カフェイン離脱頭痛・・・2週間を超えて、1日200mg以上の
 カフェイン摂取。最後の摂取から24時間以内に頭痛出現。
 100mg のカフェインにより、1時間以内に軽快する)
 
また、お茶や紅茶は胃にやさしいのでのめるという方もいらっしゃい
ますが、コーヒーと同じぐらいのカフェインは含まれているので
同じ結果となってしまいます。
 
最近相談にみえた方で、コーヒーを1日に10杯以上は飲む
という方がいらっしゃいました。
今後控えたいのだが、カフェインの少ない飲み物がよくわから
ないとおっしゃっていました。
なかなか、飲み物に含まれるカフェインの量まで気にしていま
せんよね。
 
 「主な飲み物のカフェイン含量」を表にしましたので、参考にして
みてください。
 
 「主な飲み物のカフェイン含量」※150mlはコップ1杯くらい

種類
カフェイン量
コーヒー(炒り豆・ドリップ)
150ml
100 mg
コーヒー(インスタント)
150ml
65 mg
コーヒー(エスプレッソ)
40ml
77 mg
コーヒー(カップチーノ)
150ml
50 mg
コーヒー(ノンカフェイン)
150ml
1 mg
玉露
150ml
180 mg
抹茶
150ml
48 mg
紅茶
150ml
30 mg
せん茶
150ml
30 mg
ほうじ茶1杯
150ml
30 mg
ウーロン茶
150ml
30 mg
番茶
150ml
15 mg
玄米茶
150ml
15 mg
麦茶・黒豆茶・杜仲茶・ルイボス茶など
150ml
0 mg
ホットココア
150ml
50 mg
コーラ
350ml
34 mg
コーラ(ダイエット)
350ml
45 mg
栄養ドリンク(カフェイン入り)
100ml
 50 mg
板チョコレート
50g
20 mg

 
 
ソフトドリンク、栄養ドリンクでもカフェイン入りのものがあります。
頭をすっきりさせるのにカフェインは有効ですが、とりすぎには
注意しましょう。
 
現在はメーカーごとに、ノンカフェイン飲料(コーヒー、お茶など)も
発売していますので、カフェイン量が心配な方はそういったものも
利用できるといいですね。
 
 

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